くろたん-オカルト・都市伝説まとめ-

【怖い話】踊り狂う猿

13 本当にあった怖い名無し
子供の頃から夕方になると必ず屋根の上で踊る猿を見るんですが見える人いますか?

学校帰り、民家の家で踊り狂ってる猿を見ます。
近所で見たときもあって、一週間以内に必ずお葬式をやってました。
死神かなにかですかね?
今も見ます。
ニタニタ笑ってるから正直猿なのか人なのかもよくわからないんですが。
なにせ視力がかなり弱いのに眼鏡やコンタクトをする習慣があまりないんで

【怖い話】病院に遊びに行って

899 本当にあった怖い名無し

結構前の話し+あまり人に話したことないので
若干前後したり辻褄合わない部分あるかもしれませんが、
せっかく書いちゃったんで投下します。

登場人物
俺さん 俺
連れ  高校時代の悪友
三瀬  すごい美人でスタイル抜群
敦子  可愛くはない…が性格良し


900 本当にあった怖い名無し

とある地方都市。
当時は現代風に言えばナンパ族()ローリング族()等々が、
夜になると駅前近辺に混在してた頃。
その頃は複数の連れと冷やかしがてら、よく出張ってた。

その日は翌日が休みという事もあり、いつもより多めの人出だった。
「ポコペンやろうず」って事になったんで、
近くの病院の正面駐車場(昼間は係員がいるけど、夜は開放している)に車を置き、
多分10人くらいでしばらく遊んでた。
その中に春に女子大生になったばかりの女の子2人がいた。
この子達はいつも会うので仲良し&片方は19歳になるかならないかなのに、
ものすっっっごい色気+超美人+性格良くて、地元情報誌のモデルもやってた。
三瀬真美子似なので以降は三瀬(仮)と呼称。
相方はまぁ…なんというか、残念てほどではないが…ん~、ありがちなレベルww(ただし性格は良し)。
前田敦子のニキビ多めっぽいんで、以降敦子と呼称。


901 本当にあった怖い名無し
で、あれこれ遊んで夜も更け(1時過ぎだと思う)、そろそろ解散しよかって流れに。
「じゃーねー」「おやすみー」「またねー」それぞれ思い思いに帰途につく。
俺はその時、高校時代の連れを乗せてきてたんで、送るために一緒に駐車場へ。
女子大生コンビも同じ場所に停めてたそうで、こちらも一緒に歩く。

駐車場に着き「じゃまたー」「気をつけてねー」などと挨拶を交わし、エンジン始動。
当時乗ってた車は280km/h出せる、今で言うDQN仕様というか、結構賑やかな排気音がするものだった。
「キュキュッ ボンッ ドゥドゥドゥ…」このセル、点火、排気音の途中に
     「キャー」か「ワーー」みたいな感じで歓声が紛れ込んだ。
この大きい排気音でも聞こえるってのは相当デカい声なはず。
連れと「なんか盛り上がってんなwww」などと言葉を交わしたところで、
車オーナーのブs…敦子がダッシュでこちらへ。


902 本当にあった怖い名無し
俺ら「どした?」
敦子「車…」あとは絶句。

イタズラでもされたのかと思い連れと敦子の車へ。
助手席のドアは開いたままで、少し離れた所で三瀬が座り込んでる。
静かに号泣(器用)+残像拳かってくらい震えてる。
リアルgkbrて初めて見たwwww
などと笑ってる場合でもないらしいのはすぐに理解した。

どうやら敦子も原因がよく分からないらしいので、
優しく肩を抱きながら(←重要)聞いてみると三瀬いわく、
「助手席のドア開けたら、知らないオッサンが「なぜお前がここにいる?」とすごんだ」と言う。
てか、シャンプーの香りがいいなwww相変わらず巨乳だしww等とのん気に構えてた。


903 本当にあった怖い名無し
もちろん、Fカップ三瀬を脅す不遜なオッサンなんぞ影も形もないし、
敦子も見てないと言う。
落ち着かせてよくよく話しを聞いてみると、
どうやら普通は見えないオッサンに言われたそうだ。
笑い飛ばしたいところだが、俺も多少だが見える(その時は全く感じなかった)ので、
言われてみれば病院の前だし、人の生き死にに関係する場所だ。
色々見えてもおかしくはないなと思い、はよ帰りなと促した。

三瀬「だが断るっ!」

そりゃそーだw
考えてみりゃ、さっきまで人じゃない知らんオッサンが勝手に座ってたシートだものw
なので出た折衷案が俺の車に三瀬、敦子の車に連れ。
それで敦子のマンソンへ行き、敦子の部屋に三瀬を置いて俺の車で連れと帰路へ。
三瀬は敦子大好きで入り浸り。
自分のアパートは近所だが着替えに帰る程度らしい。


904 本当にあった怖い名無し
出発~到着。
そしたら連れが降りて来て、
「明るくなるまで一緒に部屋にいるべって事になりますたwww」
「いいぞw連れww」←俺の心の声
で、明るくなるまで話したり(霊の事には触れないでいた)、
酒飲んでた(当時はおおらかな時代でしたゴメン)。

その後、連れを送り届け俺も帰宅。
朝方就寝…したのだが、これが眠れん。
どう頑張っても30分も寝てられない。
と言うのも、三瀬が困ってる夢を連続で見る。
具体的にどうのって夢じゃないんだけど、とにかく困ってるという夢。
しかも起きる→寝る→起きる→寝る→起きる→寝る→を繰り返したところで、
さすがにこれはおかしいなと思い、夕方敦子マンソンへ電話してみた(当時携帯?なにそれおいしいの?)。
案の定、敦子が「三瀬がおかしい。どうしたらいいか分からなくて、俺さんへ電話しようと思ってた」。


905 本当にあった怖い名無し
夜に敦子マンソンへ到着。
ドア開けるやいなや敦子が

「三瀬ちゃん、今さっきまでおかしくなってた。」
「今は元に戻ってるけど、何回かおかしくなった。」

あまり要領を得ないんだけど、どうやら憑依→解除→憑依→解除の繰り返しみたい。
三瀬に憑依状態に意識はあるの?と聞いてみたら全然ないそうだ。
その間の会話等、微塵も覚えてないとの事。

しかも寝ていると三瀬の夢に件のオッサンが出てきて

「逃がさない…絶対に殺してやる」

など物騒な脅しをされるらしい。
見える人間見つけて、マンソンまで憑いて来ちゃったワケです。


906 本当にあった怖い名無し
三瀬が「寝るのが怖い」と言うので、夜は俺が寝ないで一緒に敦子のマンソンで過ごす事になる。
日中は大学あるし、友達が沢山いるから大丈夫だろうとの事。
で、何日か夜勤してると、当然その間に何度も憑依される状態が繰り返される。
ヒマだったし、興味深い事もあり色々聞き出してみた。

話によると、憑依されてる間の記憶はないが、そのせいなのか相手の事が少し分かったそうだ。
オッサンは40代で、少し前(どのくらいなのか分からん)に心筋梗塞で死んだとの事。
なぜ自分が?死にたくなかった等、まぁ逆恨みと言うか知らんがな(´・ω・`)状態。

それから、三瀬は昔から霊感強めな人なんだと。
県内トップレベルのスポットに行けば、何百メートルもの石段の両脇にビッシリ座ってる罪人が見えたり、
中学の時に電車に飛び込んだ先輩が尋ねてきたりと、
大小その手の話しには事欠かないらしい。


907 本当にあった怖い名無し
だが状態は段々悪化し、講義中にうたた寝した僅かの時間にすら、
夢で心臓を刺される等殺されるという事態に発展。
「きゃーーーー」って叫びながら講義中に飛び起きたりしたそうです(敦子その他談)。
歩いてるのを見てると、
マンソン前の国道でフラフラと車道へ飛び出そうとして、慌てて敦子に腕を引っ張られる等
ちょっとシャレにならん程になってくる。



908 本当にあった怖い名無し
そんで1週間くらい経った頃に、決定的な事態が起きますた。
いつも通りの夜勤、夜中の3時半くらい。
あれこれ他愛も無いこと話してたら、たまたま俺が当時ハマってるCDの話しになった。
聞いてみたいと言うので、車から持って来て聞く。

「あらステキ、いいね」

てな感想を言う。言う。言う。言う。おい?
三瀬に目線を向けると、
なにか本能的に「マズい!!!!!」と思わず目を逸らしてしまったんだが、
なんていうか、説明が難しいんだけど、ただただ単純に「 怖 い 」目をしてコタツの天板を睨んでた。


910 本当にあった怖い名無し
こう言っちゃなんだが、俺はへたれな部類には入らない(はず)人種です。
一族の半数は反社会勢力だったりするんで、
幼い頃から怖い方々には免疫ありますし、
問答無用で目を逸らしちゃう事って記憶にないんですけど、
なにか分からないけど、とりあえずごめんなさいってオーラを撒き散らしながら、
三瀬が今度は自分の巨乳(と言うか、限りなく体の真ん中に近い部分)を血がにじむほど握り締めてる。


911 本当にあった怖い名無し
そしてかすれた声でぽつりと

「苦しい…」

え?リアルで苦しいの?覚醒してる状態なのに?え?えぇ!?
にしても、乳でけぇwwwつりがね型もグッドwwwww
などとアホな事考えてたら、
更に今度は苦悶の表情のまま

「え?なに?うん…え?でも…分かった…え?今?」

と、ボソボソと今度は誰かとお話し始める始末、俺涙目wwww


912 本当にあった怖い名無し
そのまま玄関へフラフラと歩き始め、サンダルを引っ掛けて外へ出る。
もちろん放っておけないので俺も続く。
三瀬は3階の部屋から階段を使い、1階へ降りそのまま歩き続ける。
その間、相変わらずお話中。
そのまま夜中でも大型バンバン走ってる国道へ。
さすがに止める…のだが、力がハンパじゃない。
筋骨隆々とは言えない俺だが180cm70kgは150cm代の女に力負けは普通しない。
それが引きずられる!
おいおいマジか!?


913 本当にあった怖い名無し
至近距離を大型がクラクション鳴らしながらすっ飛んでく。
本気で身の危険を感じたんで、羽交い絞め状態で足を浮かせマンソン方向へ引き戻す。
身長差を生かして、足が地面に着かないように持ち上げてるので反力もクソもない。

背筋が寒くなるのは、決して彼女は暴れてるワケじゃない事。
静かに力強いの。
振りかぶったり、勢いつけたりっていう予備動作が全くないの。
それなのに2回りも大きい人間が本気にならないととめられない力が出てる。



914 本当にあった怖い名無し
彼女をなだめながら、これはさすがに…と思い、お祓い行く事を考えてたら、
三瀬が唐突に

三瀬「あれ?なんで外にいるの?」

とぼんやり話す。
どうやら意識が戻ったみたい。
とりあえず一安心だなと思い「ふぅ」と一息つき、

俺「部屋に戻ろうか」

と三瀬の手を取り階段へ向かった次の瞬間、残像拳発動。


915 本当にあった怖い名無し
俺「どうしたの?大丈夫?」

の問いに対して三瀬が震えながら一言

三瀬  「   そ   こ   に   い   る   」

俺、本日2度目の涙目ww

そして、再び見えない何かと話し始める。
今度は俺がビビリながらも三瀬の会話に割り込むように話しかける。

俺「三瀬ちゃん、なんて言われてるの?相手は誰?なにをして欲しいの?」

三瀬「分からない、よく…聞こえないの。なんか…聞きづらいラジオ…みたいな感じ?」



916 本当にあった怖い名無し
その間も震え続ける三瀬。
そして1階の階段脇を指差し

三瀬「俺さん、見えないの?   そ   こ   に   立   っ   て   る   よ   」

続く言葉が

三瀬「え?なに?なんか…え?すっごい笑われてる」

平日の夜中と言うか、まだ真っ暗な朝方の4時近く。
そんな時間に笑いっぱなしの女なんかいるはずない、いるワケがない。

だが聞こえる。
俺にもはっきりと。
起こってる事が信じられなかったが、俺はおかしくないし、狂ってもいない(はず)。



917 本当にあった怖い名無し
俺の真後ろなのか、100mくらい先の公園なのか、距離感が全く掴めないのだが、
確かに笑ってる。
笑ってると言うより、哄笑ってヤツかな?
なにかTV見て笑うとか、友達とバカやって笑うっていう類じゃない。
言い方は悪いがキチガイが笑ってるような感じ(実際見たことはないけどね)。

で、すぐに気づいたんだけど(気づかなきゃいいのにw)、
笑ってるのは絶対に人間じゃない。
普通、人が笑うと

「あはははwww」

こんな感じ。


919 本当にあった怖い名無し
件の笑い声は

「あははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは」

息継ぎしないの。声が途切れないの。女が狂ったように全力で笑い続けてるの。
モウネ…生まれて初めて、恐怖で髪の毛が逆立った。


920 本当にあった怖い名無し
だが、いつまでも外にいる訳にもいかないし、
なにより怖いんで哄笑を聞ききつつ、
二人でgkbrしながらなんとか部屋に戻り二人でしばし無言。
ふと三瀬がコタツに置いてるCDを見て

三瀬「これは?」

俺「ん?さっき聞いたじゃん。」

三瀬「あ、そっか…?」


921 本当にあった怖い名無し
明るくなり、敦子起床。
三瀬がシャワー浴びてる最中に敦子に

俺「俺が出すから一緒に三瀬ちゃんをお祓いに連れてこう。ちょっとマズいわ。」

敦子「分かった。」

俺「日どり決まったらもう一度話すね。」

彼女らが講義に向かうと同時に、帰宅した俺が昔ちょっとお世話になった事のある霊能者に朝一で電話。
霊能者いわく

霊能者「すぐにでも連れて来て下さい。(三瀬ちゃんに)この事は話さないでね。
     気づかれると嫌がったり、最悪どこかへ逃げ出したりする場合があるから。」

その翌日にお祓いに行く事に決まり(前もって敦子に休講日を確認しておいた&お祓いも予約済み)、
俺、三瀬、敦子の3人でデートという、よく分からん口実で出発。


922 本当にあった怖い名無し
霊能者も霊もすげーww
祈祷所に近づくにつれ、段々口数が減り

三瀬「帰らない?帰ろう?行きたくない!降ろして!!」

と徐々にヒートアップw。
着いたら今度は車から降りたくないと言う。
引きずり出すように降ろしたあたりで、霊能者登場。
三瀬硬直wwwwカエルかww

で、やっとこ中に入ると時系列で説明。
大体の事は分かったと言いお祓い開始。
よく見る感じで、お祓い中は結構嫌がる。
が、なんとかお祓い終了。


923 本当にあった怖い名無し
三瀬がお札(お守り?)を渡されたんだけど、
その時に霊能者が、

霊能者「今、お祓いしたからこの瞬間から効力が出るワケではないです。
     効きはじめまで時間が掛かる場合もあるのでそこだけ留意して下さい。」

俺三瀬敦子「ありがとうございました。」

霊能者「あ、それから」

俺三瀬敦子「はい?」

霊能者「  三  瀬  さ  ん  に  は  6  人  入  っ  て  ま  し  た  か  ら  」

俺「くぁwせdrftgyふじこl!」

敦子「ふじこふじこ!!」

三瀬「ふじこっこーーーーーー!!!」



925 本当にあった怖い名無し
大昔の話しです。
もう全員いい大人ですし、交流は途絶えて久しいですが、
風の噂では皆幸せに暮らしているようです。

ちなみにその病院は現在は移転しており、
跡地は公共施設になっていますが、
色々な噂が絶えませんwwww

【怖い話】蚊取り線香

10 本当にあった怖い名無し 2

毎年この時期になったらベープ使って虫除けするんだけど、使おうと出したら壊れていたので俺にしては珍しく蚊取り線香を使って寝た。

寝てるとき、ガサガサと音が聞こえて、何事かと思って動こうとしたら動けない。初めての金縛りです。
「金縛りだ~!すげ~!」と感動してたわけですけど、耳元で子どもの声聞こえた。
男の子と女の子の声だったよ。

女の子「すみませんが、父が喘息なので・・・蚊取り線香使わないでください。」
男の子「じゃないとまた動けなくしちゃうぞ!」

それで声は聞こえなくなったけど、朝まで動けなかった。

目が覚めたら、右手首に布団のシーツの端が、方結びで結ばれてた。こりゃ動けねぇわ・・・。

とりあえず、霊を呼び出すには、蚊取り線香を炊けば良いことがわかった。


【怖い話】かみ合わない話

898 本当にあった怖い名無し

車を運転して高校生の弟の寮に向けて母親と一緒に向かっていた時の話

寮まで4時間もかかる道のり
道中、母親とちょっと口喧嘩っぽくなってしまい、
雰囲気も悪く夕方の逆光の中を無言で運転してたら
交通安全の旗が連なって沢山掲げられていて
車道と人間があるけるぐらいの細い砂利道とに別れている
カーブの手前の道路脇に男の人が立っていて、逆光の中、シルエットが影の様になって黒く見えた

カーブを通り過ぎた後、母親が「今、人がいたよね?」と言った

自分「いたよ、黒い人、男の人」

母親「道路を横切ったよね」

自分「は??いやいやいや、道路で前を人が横切ったらブレーキ踏むし」

母親「だからおかしいなと思って…」

自分「カーブの所に立ってた人でしょ?男の人」

母親「そう、男の人、黒い人、でも横切ったから…」

自分「…やめろや気持ち悪い」

【怖い話】貸しボートで・・・

889 本当にあった怖い名無し
子どもの頃の話なんで幻想が入り混じってるのかもしれないけど、妙に記憶に残ってる出来事。
ただ、文章にするために無理に記憶を掘り起こして話を組み立てたから、
実際とは違ってる部分もあるかもしれない。

たぶん小学校の中学年ぐらいだったと思うけど、親父とボートにのってた。
今は半分以上埋め立てられてしまったけど、当時は城跡公園をぐるっとお堀がとりまいていて、
貸しボート屋があった。
親父は県庁に勤めていたからたぶん日曜のことだと思うけど、母親はそのときはいなかった気がする。
日差しがまぶしく暑かった日だった。
親父は意外にボートを漕ぎ慣れてて、自分はぼんやり緑色の水面を眺めていた。
天気がいいせいか他にもボートはたくさん出ていて、
今にして思えば親子連れよりカップルが多かったんじゃないかな。

お堀の円周を石壁を見ながらほとんどのボートが同じ方向に漕いでて、自分は後ろを見てたけど、
親父と話すんで前を向いたら、すぐ先に親子三人ののったボートがいた。
両親は若くて、子どもは幼児で母親に抱かれていて見えない。
それが水路がゆるい曲がりにさしかかったときに、母親の陰になっていた子どもが頭をのぞかせた。
頭は異様に大きくて、玉ねぎを逆さにしたように天辺がふくらんでる。
上を向いていたその子が奇声をあげて自分のほうを見た。
見たといっても両方の眼の焦点があってなくて、口から大量によだれを流している。
子どもながら、ああかわいそうな子なんだなと思って横を向いた。


890 本当にあった怖い名無し
お堀はいちばんカーブのきついところに来てて、岸からヤナギの木がしだれたその影になったところが、
黒い泥溜まりで、ぽこぽこあぶくがわいている。
何気に見ていると、その泥の中から何かが出てくる。
魚だろうと思ったら、緑がかった黒い泥で汚れた指先なんだ。
それがゆっくりゆっくりなんかをつかむような形で両手が突き出されてくる。
そのあたりは水がにごっていて、水面下に何があるか見えなかった。
前のボートの母親らしい人もぞの手に気づいてるみたいで、ずっとそっちのほうを見ている。
手はもうひじを過ぎて二の腕まで出ていて、指を小刻みに動かしている。
前のボートが手の脇を抜けようとしたとき、
母親が「はい」という感じでおばあちゃんにでもあずけるような動作で、
その抱いていた子どもを泥の手に渡そうとしたんだ。

するとそれに気づいた若い父親がばしゃっと泥の手の上をオールでたたいた。
手はその一瞬で消えるように見えなくなった。
若い父親が母親に向かって強い口調で何か言った。
記憶はこれだけ。
ボートから降りその人たちと離れてから、見たことを親父に話したら、
親父は微笑みながらも、自分が早口でまくしたてるのをけっこう真顔で聞いていた。
ボートの中で自分の様子が変化するのを見ていたからだろうか。
「うーん、お前は・・・人の心を見たんじゃないかな」と一言、それ以上何も言わなかった。
そういえば来年は親父の7回忌になるな。
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